こんにちは。静岡の婚活・結婚相談所 JOYマリッジ.comの結婚カウンセラー 八木です。
「恋愛はもう必要ない」「良い人がいないから一人でいい」「子供は好きじゃないから結婚も不要」—こうした考えを持つ女性たちが、ある年齢に差し掛かった時、突然感じ始める焦り。この心理的転換は、かつて「クロワッサン症候群」として社会現象にもなりました。今日は、この心の変化について考えてみたいと思います。
クロワッサン症候群(クロワッサンしょうこうぐん)とは、人生の選択肢としての結婚を拒絶したが、結婚適齢期・出産適齢期を越え、自らの生き方に自信喪失し、焦りと絶望を感じている中年女性の心理的葛藤の形容である。語源は、1988年に刊行された松原惇子の『クロワッサン症候群』。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
若い頃の「決意」と現実のギャップ
1980年代後半、女性の社会進出が進む中、雑誌『クロワッサン』などを通じて「自立した女性」像が広く浸透しました。結婚や出産よりも、自分のキャリアや趣味、自由な時間を優先する生き方が称賛され、多くの女性たちが「結婚はしない」という決意を胸に抱きました。
この選択の背景には、親世代の専業主婦の生き方への反発もありました。「家庭に縛られ、夫や子供のために自分の時間を犠牲にする」—そんな母親の姿を見て、「私は違う道を歩む」と決意した女性たちは少なくありません。また、「素敵な人に出会えない」「仕事が忙しい」という現実的な理由から、結婚を積極的に考えない選択をした方も多くいました。
しかし、時間の経過とともに、その「決意」に揺らぎが生じ始めます。30代後半から40代に差し掛かる頃、かつて「結婚はしない」と宣言していた女性たちの中に、静かな焦りが芽生え始めるのです。この現象こそ、「クロワッサン症候群」の核心部分と言えるでしょう。
焦りが訪れる瞬間
この心理的変化が訪れる要因はいくつかあります。まず挙げられるのが「周囲の変化」です。同年代の友人たちが結婚し、子育てに奮闘する姿を見る機会が増えます。SNSには友人たちの家族写真が溢れ、親戚の集まりでは子供の話題で盛り上がる—そんな環境の中で、「自分だけが取り残されている」という感覚を抱きやすくなります。
次に「社会的孤立感」です。30代、40代になると、未婚の友人は減少し、既婚者中心のコミュニティから自然と距離が生まれがちになります。職場でも既婚者と未婚者の間に見えない壁ができることがあり、徐々に社会的な居場所が狭まっていく感覚を覚えるのです。
さらに「将来への不安」も大きな要因です。若い頃は考えもしなかった「老後の孤独」や「介護問題」が、俄かに現実味を帯びて迫ってきます。親の介護を一人で担うことになるかもしれない不安や、自分が病気になった時のサポート体制への心配が頭をよぎるようになります。
「クロワッサン症候群」を象徴する言葉として、作家の群ようこ氏の比喩があります。「展望台の2階に上がったら、初めはすごく眺めも良くて気持ちが良かったけど、気が付いたら、誰もいなくなっていて、あわてて降りようとしたら、階段もなくなっていた」—この表現は、自由を選んだはずが、気づけばその自由が孤独に変わっていた心境を見事に捉えています。
今、考えておくべきこと
「クロワッサン症候群」の本質は、将来について深く考えずに、その時々の感情や社会的トレンドに流されて人生の選択をしてしまうことにあります。結婚するかしないかは個人の自由ですが、その選択が本当に自分の望む未来に繋がるのか、十分に考える必要があるでしょう。
重要なのは、「今」の自分だけでなく、「10年後、20年後の自分」がどう感じるかを想像することです。若い頃は気づきにくいかもしれませんが、人間の価値観は年齢とともに変化します。20代で「必要ない」と思っていたものが、40代では「大切なもの」に変わることは珍しくありません。
また、結婚や出産には時間的制約があることも忘れてはなりません。選択の自由は常にありますが、選択肢自体は年齢とともに減少していくという現実があります。特に出産を希望する女性にとって、この時間的制約は無視できない問題です。
結婚相談所のカウンセラーとして多くの方と接してきた経験から言えることは、「もっと早く考えておけばよかった」と後悔される方が非常に多いということです。結婚を強制するつもりはありませんが、将来の自分が後悔しない選択をするためにも、今のうちから真剣に考え、行動することの大切さをお伝えしたいと思います。
JOYマリッジ.comでは、そんな悩みを抱える皆様の相談に丁寧に対応しています。結婚に迷いがある方も、ぜひ一度ご相談ください。未来の自分に感謝される選択のお手伝いをさせていただきます。


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